請求書の概要について
請求書は、提供した商品やサービスの対価を取引先に請求するための重要な書類です。法律で発行義務はありませんが、トラブル防止のために発行が推奨されます。請求書には以下の項目が記載されることが一般的です:
- タイトル: 「請求書」または「御請求書」
- 発行者情報: 会社名、住所、部署名、担当者名
- 取引先情報: 会社名、住所、部署名、担当者名
- 取引年月日: 実際の取引が行われた日付
- 取引内容: 商品やサービスの詳細
- 請求金額: 合計金額
- 振込先情報: 銀行名、口座番号など
- 支払期限: 支払い期日[1][2][3]。
請求書は一定期間保存が必要
請求書は受領する側と発行する側それぞれ保存が義務付けられています。
請求書を受領した側は、請求書原本を保存します。一方で請求書を発行した側においては、請求書の原本の保存義務はありませんが、控えを作成している場合には、取引に関して作成した「証憑書類」として保管義務があります。
あとで取引状況を確認しやすくするため、月別・取引先別などで分類して保存するのがおすすめです。
法人の請求書の保存期間は、事業年度の確定申告期限の翌日から7年間です。
青色申告書を提出した事業年度において欠損金額(青色繰越欠損金)が生じた場合、または青色申告書を提出しない事業年度において災害損失欠損金額が生じた場合には、10年(2018年年4月1日以前に開始した事業年度については9年)となっています。
個人事業主やフリーランスの請求書の保存期間は、事業年度の確定申告期限の翌日から5年間が原則です。なお、個人事業主のうち消費税課税事業者の場合は、保存期間は7年間となります。 原則例外法人7年間10年間個人事業主・フリーランス5年間7年間
請求書の保存期間は、発行日や入金日から数えて7年ではない点に注意しましょう。
また、これまで国税関係帳簿を電磁的記録(電子データ)により保存する場合には、事前に税務署長の承認を得る必要がありましたが、2022年1月1日以降に保存する国税関係帳簿書類については、事業者の事務負担軽減のため事前承認が不要になりました。
知っているようで詳しくは知らない請求書。法で定められたフォーマットがないため、作成する目的を正しく理解しておくことが重要です。そうでないと、業務の意義が分からなくなってしまいかねません。そのせいで請求書の作成が後回しにされてしまうことや、届いた請求書の確認が遅れるようなことがあっては、経理業務の質が落ちてしまうことでしょう。
請求書は企業にとって取引の対価を正しく受け取るために欠かせないものであり、正しく管理することで迅速な経営判断も可能になります。そうした意味でも請求書を作成する目的を理解し、正しい管理につなげることが重要です。
また、2023年10月より開始のインボイス制度により、請求書の記載項目も変化します。理解が遅れると対応に手間取ってしまうため、今からしっかりと準備を進め、効率的な請求書管理を目指しましょう。